バリュエーション

2009年8月14日 (金)

日経平均PERからは正当化しにくい株価10,000円

(7月2日付のブログ記事再掲載)

7月1日現在の日経平均PER41.7倍。現在の日経平均株価の水準をPERの側面から正当化するのは、かなり骨が折れます。それが可能になる一つのタイミングは4-6月期決算が発表される7月中旬以降ではないかと思います。即ち、4-6月期の企業収益を見て、「やはり1-3月期が企業業績的にはボトムだったのか」との確信を投資家が持つに至れば、投資家の目線が20113月期に移ることも期待できます。つまり、投資家が来期のEPSを思い描いて、PERを考えることも期待できるわけです。

しかし、もし逆に7月中旬過ぎに発表された4-6月期の決算数字が「1-3月期がボトムとなった」ことを証明できなかった場合には、どうなるか。その場合には、市場は本当のボトムを探しにいきます。その際には、現在の長期金利の水準や原油価格の水準などはネガティブ要因と投資家の目には映るかもしれません。そうすると、やはり日経平均株価10,000円はなかなかシンドイなあって言う話になる様に思います。

(以上、再掲載終わり)

8月13日の日経平均株価の終値は、10,51719銭。それに対して、今回の4-6月期の決算発表の内容を見ると、日本企業の収益状態は1-3月期が予想通り底になったことは明らかだとは思いますが、前回のブログ記事「トヨタの第1四半期決算」でも見た様に、そこから急回復するイメージはなかなか描きにくい。従って、12日現在で40.8倍になる日経平均PERの正当性を証明することは難しいのではないかとの印象を持っています。

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2009年7月 2日 (木)

日経平均PERから想定される今後のシナリオ

7月1日現在の日経平均PER41.7倍。現在の日経平均株価の水準をPERの側面から正当化するのは、かなり骨が折れます。それが可能になる一つのタイミングは4-6月期決算が発表される7月中旬以降ではないかと思います。即ち、4-6月期の企業収益を見て、「やはり1-3月期が企業業績的にはボトムだったのか」との確信を投資家が持つに至れば投資家の目線が20113月期に移ることも期待できます。つまり、投資家が来期のEPSを思い描いて、PERを考えることも期待できるわけです。

しかし、もし逆に7月中旬過ぎに発表された4-6月期の決算数字が「1-3月期がボトムとなった」ことを証明できなかった場合には、どうなるか。その場合には、市場は本当のボトムを探しにいきます。その際には、現在の長期金利の水準や原油価格の水準などはネガティブ要因と投資家の目には映るかもしれません。そうすると、やはり日経平均株価10,000円はなかなかシンドイなあって言う話になる様に思います。

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2009年6月 6日 (土)

日経平均PERの示唆

日経平均PER64日現在で、41.23倍。513日時点では130.10倍でしたから、1ヶ月も経たないうちに約7割も低下したことになります。

これは各社の決算発表を受けて、業績見通しが修正されているが故の水準訂正と言って良い動きです。日経平均PER130倍のままでは、誰もがそこから買いに出る理屈を正当化できません。その意味では、市場回復に向けた良い動きだと思います。業績予想を行う各アナリストがセルサイドもバイサイドも併せて自分の予想を固めて、それが妥当な水準にまで収斂し、しかも運用サイドの投資判断に反映されるようになってくれば、市場の方向感も明確になってくると期待できます。もちろん、相場の世界で勝つ為には他者より先んじて動くことが必須要件とされていますので、もう既に動き出している投資家の方々もおられるとは思いますが、今の局面は期待は持ちつつも慎重に相場の方向感を見極める。そうした局面であるというのが私の考えです。

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2009年4月 6日 (月)

「外国人が買った銘柄」を通して

20089月中旬頃からの世界的な金融市場の混乱を経て、現在も日本株は低い株価水準で推移し、日本は景気後退局面におかれ続けていますしかし、こうした環境の下でも「外国人投資家が持株比率を増加させた銘柄」、つまり「外国人が買った銘柄」もあるのです。

ただ、こうした銘柄群を見ていると、必ずしも成長性の面から高く評価できる銘柄ばかりとも言えない様に思います。勿論、各々の投資家によって見方は異なりますが、私が思うにヘッジファンドなどの特定の投資主体が各々の切り口で独自の投資判断を行い、投資を決断しているとの感が強いように思います。つまり、外人投資家が買っているからと言って、単純に高成長が期待できる前途有望な銘柄と考えるのは短絡的で、特に今は投資家にとって銘柄選択には慎重を期する必要があると思います。

そうした中で、銘柄選択が難しくなっている昨今、バリュエーション的にはPBRを重視するのが相対的には最も無難なように思います。基本的に赤字決算にならないのであれば、PBR 1倍割れはおかしいと言えるわけですしそうは言っても、赤字でないのにPBR 1倍割れの銘柄はたくさんあります。ただ、銘柄選択が外れた時でも、PBRが高い銘柄は大きく売られますが、PBRが低い銘柄はPBRの低さ株価の下支えになってくれます

上記のことは至極基本的なことなのですが、今は基本に忠実になるのが最も良い時期と思います。

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2009年4月 4日 (土)

増資について考える

この3月決算は上場企業でも赤字決算となる企業が続出する模様です。そうした中で、赤字決算で棄損する株主資本を穴埋めする手段としては「増資」があります。実際、既に先手を打ち、3月決算が固まる前に増資に踏み切った企業もあります。

例えば、野村ホールディングス。同社は35日から6日にかけて、1417円で、総額3128億円の公募増資の募集を実施11日に払い込みを完了させましたただ、その公募期間中に野村の株価は安値を更新。幹事証券が安定操作で大量の買いを入れて、株価を支えたとも言われています野村がこうした大型公募増資に踏み切った最大の理由は、もちろん巨額の赤字決算で棄損した株主資本を穴埋めするのが目的だったはずです1月末に発表した2008412月期連結決算は、有価証券売買の評価損などが膨らみ、最終損益は4924億円の赤字。通期でも過去最大の赤字となる見通しです

それでも野村は、この公募増資を成功させたことで、巨額の赤字決算を補って財務的に余裕を持つことが出来ました。しかし、一方の株主側の事情はどうでしょうか?。株主側でも色々な思惑を持って、株式を売買しています。もちろん、少なからず投機目的で売買されているものもあります。しかし、株式への投資のかなりの割合は、年金資金や投資信託です。これらの資金は、私も含めた一般市民が将来の給付を受けるための年金原資であったり企業や国などが運営する年金の資産なのです。または、老後の生活を視野に入れた運用資金であったりするわけです。それだけに、これらの資金が適正なリターンを求めることは社会全体の安定にとっても当然な要求となります。

したがって、上場企業は、株主資本コストを上回るROEReturn on Equity=株主資本利益率)を上げ、長期にわたり継続的に株主価値を増大していく責務を負っています。一方で、最終投資家である私たち一般市民から負託を受けた年金基金や投資家は、インサイダー情報などのルール違反を犯さない範囲で、経営者に対して物申す責務を負っているのです。

ですから、野村の経営者は今回の公募増資の成功と引き換えに、増大した株主資本に見合うリターンを生む責務を株主に対して負ったことになります。とりわけ野村の場合には、破綻した米投資銀行リーマン・ブラザーズからアジア・欧州事業を買収しており、その費用は人件費を中心に少なくとも2000億円と見られていることから、その支出に見合った買収成果が問われることになります。

資本市場は言わば厳しい戦場です。特に昨今のように市場がグローバル化している状況では、資本の論理による経営権を巡る競争、つまり株主価値を上げられない企業が買収の標的となっていく。それは野村と言えども例外ではないと思います。

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2008年12月10日 (水)

PBRか、配当利回りか

東証データによれば、東証1部の総合PBRは200811月末で0.7倍となっています。データだけで見ると、確かに割安に見えます。しかし、仮に企業が保有資産を売りに出しても、今のご時世、そう簡単に買い手がつくとは思えず、流動性をディスカウントすれば、0.7倍でも割安かどうか怪しくなってきます。

一方、東証1部の配当利回りは、200811月末で単純平均 2.50%、加重平均 2.68%となっています。10月の株価急落を受けて、逆に配当利回りは上昇し、10月、11月は2%台となっています。この水準は、個人投資家の皆さんにとっては、とても魅力的かもしれませんね。

しかし、外人投資家はどうでしょうか。やはり彼らは配当よりもキャピタルゲイン狙いでしょう。そうすると、今の局面では、配当利回りが上昇しているからと言って、本当に株を買っても良いかどうか。少し慎重になって考えた方が良いと思います。

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