ソブリン債の投資リスク
ギリシャの財政不安問題がポルトガルやスペインなどの南欧諸国に波及し、ヨーロッパ全体の信用不安問題として意識されています。これを受けて、ユーロは対ドルでも、対円でも大幅に下落しています。その結果、特に南欧諸国を中心に、ソブリン債への投資リスクについてもかなり神経質な展開になっている様に思います。
ここで、ソブリン債とは、各国の政府や政府機関が発行したり、保証したりしている債券のことです。ただ、そうは言っても、信用格付けの低い国の国債などは安全性が高いとは言えません。しかし、一般的にソブリン債と言えば、格付けの高い国の国債などを指すことが多く、安全性の高い債券とのイメージです。そして、このソブリン債で運用している投資信託が、特に高齢者の間で人気を博しています。その人気の理由は、①信用力の高い国の国債に分散投資しており、運用が安定している。そして、やはり何と言っても、②毎月分配がある、ことではないでしょうか。
しかし、上述の様に、現在は特に南欧諸国を中心に、ソブリン債への投資リスクを意識しなければならない局面になっています。それは勿論、一つには価格下落=金利上昇のリスクです。そして、もう一つ忘れてはならないのが、ソブリン債で運用している投資信託では通常、為替リスクのヘッジを行っていない事です。ですから、為替変動の影響を大きく受けます。しかも、実際には、前者よりも後者のリスクの方がずっと大きいのです。従って、為替リスクを常に意識していなければならない以上、ソブリン債で運用している投資信託と言えども、決して安心とは言えない。今はまさに、その事が顕在化している局面だと思います。
冒頭に指摘したギリシャの財政不安の問題。そして、それをきっかけに拡がったポルトガルやスペインなどを含む南欧諸国の財政不安。この問題が欧州全体に波及する金融危機問題として市場で意識されてきたことを受け、欧州連合(EU)は11日に開催した臨時首脳会議で「ユーロ圏の安定を守るため必要ならば断固とした協調行動を取る」という声明を発表しました。しかし、市場では単なるリップサービスとしか受け止められなかった模様です。結局、ユーロはいったんドルに対して買い戻されたものの、再び売られる展開となっています。何れにしても、ソブリン債で運用している投資信託と言えども、決して安全・安心ではないのです。
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