ファンドマネージャーは大変
私は7月18日付で「サプライズ!だったインテルの決算」と言う記事を書きましたが、今回の7-9期決算でもまたインテルは抜群の決算を発表しました。それに、金融機関ではJPモルガンやゴールドマン・サックスが予想以上の好決算を発表しています。週末に発表になったバンク・オブ・アメリカの決算は市場予想を裏切り、水を差していますが、ただ米国の金融機関の決算に関しては、私は以前に「金融危機から1年」と言う記事でも言及しましたが、額面通りには受取れない、かなり怪しいと思っています。
さて、話は変わりますが、機関投資家(運用会社)の場合、その運用資金の大部分を年金基金が占めていますが、多くの運用会社では運用成果の四半期報告を年度の各四半期毎に年金基金に対して行い、パフォーマンスをレビューし、そして今後の運用方針を説明します。年金基金側では、その報告を受けて、各運用会社への運用資金の割振り、そして継続か解約かなどの判断をします。
その際に、年金基金が判断基準としている日本株のベンチマークは、通常は日経平均株価ではなくて、TOPIXです。ですから、運用会社ではTOPIXをアウトパフォームすることが求められます。と言う事は、仮に絶対リターンはマイナスでも、ベンチマークさえ上回っていれば問題ないと言う事にもなります。ここら辺が、運用のプロと称されるファンドマネージャーと個人投資家との大きな違いでもあります。
ただ、ちょっと感覚が違うのは、例えば今の局面の様に、「日経平均株価が10,000円の大台を回復!」などと新聞の見出しに書きたてられると、普通の人は「ああ、株価は上がっているのだな」と認識すると思います。しかし、年金基金などの様に広く分散されたポートフォリオの場合には、実際の連動性はTOPIXに近く、日経平均株価の水準から受ける印象とは乖離する場合がしばしば起こるのです。
例えば、今回の局面。日経平均株価を通して普通の人たちが受ける印象ほど、実はTOPIXは上がっていません。TOPIXの水準は概ね900ポイント前後に貼り付いたままです。にも拘わらず、日経平均株価は上昇している。これは、ある特定の銘柄だけがかなりの部分でパフォーマンスに貢献しているためです。つまり、今の局面は日経平均株価の戻りの印象ほどに、TOPIXのパフォーマンスは改善していないのです。
なので、今の局面では、運用会社のファンドマネジャーは非常に苦しい。つまり、大事な得意先であるクライアントの前で現状説明と今後の見通しを話した際には、必ず次の様に質問されます。「御社ではその銘柄の取扱いをどうされるつもりですか?」「御社のファンドにはどうして、この銘柄は入っていない(あるいは、組み入れが低い)のですか?」と。それに対して、クライアントが納得してくれる様な説明を事前に用意しておかなければなりません。これは現場を知っている者にしか分からない相当なストレスですよ。ファンドマネージャーの給料とは、このストレスに対する報酬と言えるかもしれません。
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